高島公民館 > 高島・旭竜の淡水魚 = 賞田のアユモドキ
アユモドキは、どじょうの仲間ですがその姿がアユに似ているところから、この名前がつけられました。正式な学名は、Leptobotia curta (レプトボティアクルタ) と云い、コイ目ドジョウ科ボティア亜科に属する淡水魚です。
日本では、琵琶湖・淀川水系と岡山県下の旭川など数河川のみに住んでいる貴重な淡水魚です。

アユモドキ
アユモドキは、昭和52年7月2日付けで国の天然記念物に指定されました。これによって、アユモドキが文化財保護法に基づいて保護しなければならない魚となりました。

群れるアユモドキ

中田川での調査
アユモドキ減少の原因を調査してみると、産卵生態に原因があるようだ。
アユモドキは本来、水田のような一時的水域に産卵する。水田に水を導入すると3日から1週間以内にミジンコなどの甲殻類が大発生してくる。そのような場所に産卵すれば、フ化しても餌が豊富で大繁殖できる。
そこで、岡山淡水魚研究会では現在、岡山市賞田で休耕田を借り、自然産卵増殖をしている。自然に水田に遡上し産卵し、自然に用水路に帰っていくようにしている。今年で6年目になるが効果的である。たぶん放置していたなら祇園、賞田一帯からは姿を消していたであろう。
平成11年5月16日、岡山理科大学の学芸員課程のセミナーが、高島地域の歴史を遺跡を通して学ぶということで行われました。
その中で、アユモドキの解説を行いました。また中田川と山手川との分流地点から、南側の火の見櫓までの間で、アユモドキをたくさん確認できました。5cmまで8匹、10cmまで12匹、15cmまで11匹、20cmまで3匹、20cm以上0匹でした。10cmより大きく20cmまでの14匹のうち、6匹は縞が見えないか見にくかったです。
生活に利用している水路や川の中で、アユモドキを見たいときに見ることができる状況は、当たり前だと言われればそうかもしれませんが、数百匹ほどしか生息していないことを考えると、ここ賞田の環境は非常に恵まれていると思いました。
公民館は、子どもたちにとっても「学びの場」である。
近くの高島小学校5年生がアユモドキの研究にやってきた。ホールの壁面に掲示してある『アユモドキの説明パネル』を食いいるように見つめる子。書架から資料を探し出してノートに書き写す子。
「アユモドキ (ドジョウ科)」 背鰭三棘九〜十軟条・臀鰭三棘六軟条・胸鰭十四軟条で側線は完全である。」(岡山文庫 『岡山の魚』) などと、難しい説明も平然と書き写しているから驚きだ。
全国でもこの地区と琵琶湖・淀川水系にのみ生息する天然記念物だから、子どもたちの研究意欲は高い。子どもたちには「ふるさとの誇りの魚」 なのだ。
「体色の緑黄色は遊泳するとアユ (鮎) に似て見えるからアユモドキ」という命名が気にいらぬ子もいる。
なぜ、固有の名前をつけてあげなかったの? ウシドジョウと呼ぶ地方もあるそうだから、○○ドジョウを学名にしてあげたらよかったのに・・悲しい魚!
なるほど、と私はつぶやき、辞書を引いてみる。
「もどき」 は 「名詞に付いて、それと対抗して張り合うぐらいのもの、それに匹敵するものであるという意を表す。がんもどき、うめもどきなど。」とある。 (『日本国語大辞典』)
アユという魚の名を借りて、ドジョウを高い地位にすえる表現ということなのだろう。いわゆる「修辞的残像」 を用いた命名である。
確かに、受け手には、アユのイメージが残像となる。アユの野性的な姿態にみちびかれていく。